メリットとデメリット

メリット

1.幅広い分野で将来に役立つ

steam教育は1つの分野に特化した教育ではなく、科学から数学、芸術などのさまざまなスキルが身につきます。

また、幅広い知識やスキルを学んでいるため、自分で考えて問題提起する力を育み、論理的思考力が身につきます。

将来なりたい職業があったとしても、自分に知識がない場合や関係性の高いスキルがない場合、たくさんの人が諦めるでしょう。ですが、steam教育を受けている人は、現代で活躍している多くの職業につく力があります。

steam教育を受ければ、多くの職種で活躍できる人材になれるでしょう。

2.問題解決能力が身につく

steam教育では、問題解決スキルが習得できます。

steam教育は5つの言葉を合わせた造語です。分野や教科の枠を超えて総合力のある人を育てます。

steam教育を学ぶときには、受験勉強のように暗記や計算だけを重要視しません。steam教育のプロセスは下記5点からなります。

  1. 問題提起を自らおこなう
  2. 問題点をまとめる
  3. 改善点を見つける
  4. 解決策を模索する
  5. 解決する

基本的にsteam教育を学ぶ際は自分で考え、問題解決を目指します。
これらの教育方法から、steam教育では、問題解決能力が高まると予想されます。

3.時代についていける能力が身につく

IT産業の発展が著しい世の中についていけるスキルが身に付きます。AIやIoTは全てにおいてプログラミングが必須です。ロボットやアプリゲームを作るためにも、プログラミングを知っていないと関われません。

steam教育の一環として、小学校からプログラミングが必須教科になりました。
現代に必要なスキルの1つはプログラミングであるといえます。

日本ではプログラミング教育が小学校から始まり、ほとんどの子どもがプログラミングの知識を持って進学します。プログラミングのスキルや知識がある人とない人では、IT産業への関わり方が違うでしょう。

4.論理的思考が身につく

steam教育を学んだ人は、物事の整理や順番立てを正しく判断できる論理的思考が習得できます。

steam教育では、問題提起から解決まで自らまとめて考えて答えを出す教育指針です。
自分で理論立てて、最後まで道筋を立てるスキルが身につくようになります。

デメリット

1.日本の受験に対応していないため、授業に取り組みにくい

現在の日本の受験はペーパーテストがメインです。日本史や世界史を暗記したり、計算を解いたりします。
この中にsteam教育の要素は少なく、直接授業に取り入れにくい状況です。

高校は特にsteam教育を取り入れる時間がありません

大学進学を中心に考えている進学校では、受験に関係ないsteam教育を確保するよりも、受験に直接関係のある教科の勉強をしようと、多くの先生や生徒、保護者が考えています。

大学受験や高校受験では、少しでも点数を上げるために、1日に何十時間も勉強して、受験に挑みます。受験に全く関係ないsteam教育をする時間を受験勉強にあてたいと思っている人がたくさんいるのです。

steam教育を広めるには、先生や教育の関係者だけではなく、生徒や保護者の理解が必要です。

2.先生不足や先生のスキル不足(プログラミング)

現在(2022年10月)の先生はsteam教育で必要なプログラミング教育を受けていません

現役世代の先生の義務教育過程では、プログラミングが必須科目に含まれていなかったためです。

一部の私立小学校を除き、基本的には全科目を教えている小学校の先生たちにとって、新しく追加されるプログラミング科目は負担となっています。急ぎ学習したとしても、スキル不足の課題は残るでしょう。

まだまだ日本の教育界では、プログラミングに詳しい先生が不足しており、海外のsteam教育と比較してもスロースタートです。

プログラミングだけではなく、steam教育がいきなり必要だといわれても、先生方も知識のない人がほとんどです。このような観点からも、教える側の人材不足は日本のsteam教育の課題です。

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